降りてゆく生き方

3/27 2011年 福岡サンパレス

武田鉄也さん主演の映画。

自主上映という形で全国を回っているという

この映画のプロデューサーであり脚本家の森田貴英さんが舞台挨拶に立たれた。

本来は弁護士という仕事を持ちながら木村秋則さんとの出会いが
この映画を作るきっかけとなったと。

さまざまな人と出会いながらこの映画は作られたのだという。

武田鉄也さんが上映にあたってコメントを寄せられた映像が流れた。

その中で「人に手間をかける事に億劫になっている」と話された。





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チキンラーメンを初めて食べたのが保育園の時、それ以来なんでもインスタント・・・

そんな時代に育った、インスタントコーヒーやパックに入ったカレー、袋に入った焼きそば。

便利さに慣れ時間短縮することが最善だと覚えこんできた。

白く輝く粉でどんな食べ物も美味しくなった、カツオや昆布、いりこで出汁をとることを止め、
顆粒の風味調味料を使う。

そんな時代に青春を過ごした。

初めての子育て、授かった命が綱渡りをするような危なげなものだった。

自分にできる事を精いっぱいに、味噌も漬物もできる限り手作りで頑張った時期があった

それでも日々に追われ、手間暇を捨てて便利な方へと流されて行った。


映画を見ながらボロボロと泣いた、一つ一つが身につまされる。

この映画を観終わって、猛烈に恥ずかしくなった。

人を育てる親なのに、なんて手間を惜しんできたのだろうと。

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今はやりのファンドが地方の農村を一大リゾートに変え、外国資本でひと儲けしようと
武田鉄也演じる川本五十六を使って農村の懐柔を企てる。

自然農法で一俵30万円もする米を作る刈谷俊介演じる二宮や
大学時代の友人が残した造り酒屋の息子。

五十六はかつての友人の家族まで騙して300万ドルの報酬を手に入れようとするが・・・



二宮に正体がばれて「もうそろそろ登って行く生き方をやめて、
降りてゆく生き方をしたらどうだ」と諭される、この言葉がテーマでもある。

何に向かって降りて行くのか。
 
小さくは米作り、街づくり、環境、農業、人としての生き方。

米の立場に立って、相手の立場に立って、自然の立場に立って 降りてゆく生き方を見習おう。

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